まんが 「Sunglass」

漫画
表紙「Sunglass」
少年が手に持ったサングラスを見つめている
漫画
店も閉店している夜の街。
とある「Lame」という店の中。「レン!」
博物館のチラシなどがたくさん貼られた壁に設置されているテレビからアナウンサーの声が流れている。
「グルグル社の敷地に武装した何者かが…」
少年レンの声「どうしたのおじいちゃん」
おじいちゃん「ここにあった古いゲーム機知らんか?」
(スケートボードを足で蹴りながら)レン「へへへ、気がついた?」
漫画
レン「ちゃんとゴミにだしておいたよ。」店の裏口の先にあるプールサイドで自信満々に言うレンに驚くおじいちゃん。
おじいちゃん「な、なにー!!」
レン「ほかのものなどいらんわい、って言ってたから」
おじいちゃん「バカモン!あれは新しいゲーム機買ったから、おおげさに言っただけだ!」
おじいちゃんは涙目でレンを揺さぶる。
レン「わっわっ」
おじいちゃん「レアなんだぞあのゲーム機」
漫画
街角のゴミ捨て場へ来たレン。
レン「たしかこのへんに」
ブオン
エンジン音とともにトラックが動きはじめる。
レン「ん?」
その荷台にはレンが捨てた古いゲーム機の箱が見える。
レン「あ!それは!」
気がついた時にはトラックは街の外へ。
ブロロロン
追いかけるレン。
森の入り口の橋を渡る。橋から続いている道端のロープ状の電球ライトに導かれるように森の奥へ進む。
何かを見て驚くレン「!」
漫画
森の奥に煌びやかテントがいくつも建っているのが見える。電球で装飾された矢印も見える。
レン「な、なんだ?」
タタタ
木で作られた壁で囲まれた会場の入り口にある看板を見るレン。
レン「ナイトバザール?」
会場の中はアイスクリーム、ポップコーンなど出店があるのが見える。
夏らしい身軽な男性、紫の帽子を被った小さな子、手を引かれる子どもなど人々が会場へすいこまれていく。
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とある出店。雑貨が所狭しと置いてある。その奥に頭のサイドを刈り上げたカイゼル髭のおじさんが立っている。
カイゼルおじさん「赤い車?」
カイゼルおじさん「ほほう。間違えて捨ててしまったとな。すまんが車もゲーム機も見てないなあ」
レン「お忙しいところお邪魔しました」
ペコリ
その礼儀正しい様子をじっと見つめるカイゼルおじさん。
おもむろに箱を取り出した。
カイゼルおじさん「いいものがある」
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パカッ
箱の中にはサングラス。装着するレン。
カイゼルおじさん「どうかね?」
レン「いいねこれ」
カイゼルおじさん「気に入ってくれてよかった」
言った瞬間サングラスのレンズが青に変わった。
レン「わわわ」
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カイゼルおじさん「少し変わった色眼鏡でな。いい言葉は青になるのだよ。早とちりが減るかもしれん。少し貸してあげよう」
レン「プレゼントありがとう。おじさん。」
カイゼルおじさん「あっ!あげとらんぞ!」
映画が屋外上映されている。
映画の中の男「もう行かなきゃ」
映画の中の女「嫌よ離れたくない」
ピコン
レンのサングラスが赤く光る。
レン「む、赤はネガティブか」
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射的屋。
パン
店主「はい!大ヒット映画!」
喜ぶレン。
店主「ただし30年前のだけどな。はっはっは。」
レン「30年…」
女の子「レン君!」
女の子「こんなところで会うなんてびっくり」
レン「リリちゃん!」
ピコ
サングラスが青に変わる。
「青!まさかいい意味で「びっくり」か」
リリ「何か当てたの?」
漫画
リリ「トンガリの休日…?す、素敵な映画当てたね!」
ピコン
サングラスが青に変わる。
レン「ありゃ?本気で言ってる!」
レン「あげるよ」
リリ「え!」
レン「今度ピクニックに誘ってみようかな」
焼きそば屋「青春だねえ坊や」
レン「ん?」
焼きそば屋「特別だ安くしとくよ」
サングラスが赤く変わる
焼きそば屋「そこのお姉さん安くしとくよ、お兄さんも」
レン「…」
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福引屋「大当たり〜大当たり〜」
言われても動かないレン。
ピコン
サングラスが青に変わる。
レン「何だ本当か!」
福引屋「し、失礼な」
笑顔で商品を持って立ち去るレン。
屋外のレストランの前を通る。
老紳士「どうしたんだい?」
レン「ん?」
漫画
老紳士「毎年ここが楽しみだって」
老婦人「でもまさかまただなんて信じられない」
ピコン
サングラスが青くなる。
レン「む、もしやすれ違い。おまかせください」
2人のテーブルに近づくレン。
レン「はじめまして!」
驚く2人。
レン「大丈夫!今夜はいい食事になるよ!」
自信満々に言って立ち去るレン。
漫画
雑貨屋。
レン「おじさん!これすごかった!」
カイゼルおじさん「それは良かった」
レン「女の子の気持ちとか怪しい売り文句とか全部わかるんだもん」
カイゼルおじさん「はっはっは。そこまでわかるといいんだけどなあ」
レンとカイゼルおじさん「はっはっは」
レン「え?」
カイゼルおじさん『え?』
レン「おじさん今なんて?」
カイゼルおじさん「そんな機能があればなあと」
レン「じゃあそういう機能は…?」
カイゼルおじさん「残念ながらないよ」
漫画
カイゼルおじさん「単純な言葉を判定して色を出すだけだよ」
レン「え?でも微妙な言葉にちゃんと色が出てたよ」
カイゼルおじさん「色が出ていた?うーむ。あ!すまない!これは壊れている方だった!色がめちゃくちゃに出ちゃうんだなこれ。」
サングラスがカラフルに光る。
レン「えー!そ、そんな〜!」
急いでレストランへ戻るレン。
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レストランのスタッフ「さっきの君!」
呼び止められるレン。
スタッフ「おふたりからご伝言が。あなたのおかげで最高の夜になったと。」
レン「え?」
焼きそば屋「安くするよ、安くするよ」
レン「あ!リリちゃん!」
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レン「さっきは変な映画あげちゃっってごめ…」
リリ「ありがとー!おばあちゃん達すっごく喜んでた!」
レン「ほえ?」
仲良く映画を見る老夫婦。
老婦人「まさかまたもう一度食べられるなんて。あなたと出会ったあの撮影。あの時と変わらない美味しい味だったわ。」
スクリーンには2人が若い頃に共演した作品「トンガリの休日」が写っている。
レン「結果、オーライ?」
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同じころ、雑貨屋。
パソコンにケーブルで繋いだパネルの上にサングラスが置かれている。
そのパソコンをカイゼルおじさんが操作している。
「名演技だったな」
カイゼルおじさんの背後から何者かが声をかける。
カイゼルおじさん「誰だ?」
紫の帽子の子「驚いたよ、まさかグルグル社の開発チームが夜店を装ってテストしてるとは」
カイゼルおじさん「何をわけわからんことを」
紫の帽子の子「壊れてなんかないだろう」
カイゼルおじさん「!」
紫の帽子の子「おっと」
紫の帽子の子がサングラスを奪う。
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紫の帽子の子「意味を理解するサングラス。欲しがる連中も多いのでね。」
カイゼルおじさん「待て!」
立ちすくすカイゼルおじさん。
カイゼルおじさん「私としたことがなんたる失態」
椅子に座り小型のリモコンを押す。
カイゼルおじさんの机のサングラスを読み取るパネルの下の一部が開いて、中から本物のサングラスを入れた箱が出てくる。
とられたのはダミーのサングラス。
カイゼルおじさん「危なかった」
カイゼルおじさん「ああ、私だ。すぐにサイトBにセキュリティを」
一方その頃。
レン「じゃあまたね」
リリ「あ、そうだレン君。今度、ピ…」
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ドーン
大きな花火が上がる。
リリ「…に行かない?わ!花火始まっちゃった!」
急いで立ち去るリリ。
ピュー
レン「あ!今なんて?」
考え込むレン。
レン「ピ、ピ、ピクニック?」
漫画
次の日。
レンの家。
落ち込んでいるおじいちゃん「うう。わしの思い出のゲーム機」
レン「じいちゃん。元気だしなよ」
おじいちゃん「レン!おぬしのせいじゃ!」
レン「ひー」
おじいちゃんに責められ後退りした瞬間。
福引屋でもらった景品が床に落ちた。
ポテ
レン「そういえばまだ開けてなかったんだ」
なんと中にはたくさんのレトロゲーム機が。
レン「あれ?」
おじいちゃん「おお〜!」
漫画
おじいちゃん「思い出のインヴェイトに加えゴースカイにエッグ2まで…すごいぞ!レン!」
興奮のあまりレンを揺さぶるおじいちゃん。
その時外から声が。「レーンくーん!」
レン「あ、時間だ!」
おじいちゃんを押し退けるレン。
おじいちゃん「うわっ」
おじいちゃん「なんじゃデートか?早とちりに気をつけるんだぞ」
くるっ
振り向くレン。
レン「じっくり考えて。準備したよ。」
ズッシリ
荷物いっぱいのリュックを見せるレン。
たじろぐおじいちゃん。

漫画
レン「お待たせー!」
小さなバッグだけ持っているリリ。
リリ「わ!すごい荷物!」
レン「へへへ」
レン「それじゃ出発しよーか」
リリ「いざ…」
レン「ピクニックへ!」
リリ「ピーナッツ博物館へ!」
固まる2人
レンとリリ「今なんと?」